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2011/08/11(Thu)

翼の作り方。

第3弾は「翼」です。

翼の作り方はほとんどセオリー通りな感じです。見た目は特に。
各パーツの材料と特徴?を以下に列挙します。

リブ:スタイロフォームB2 トラス肉抜き。7~8mm厚。
外皮:スタイロフォームB2 3次元カット。フルプランク。
後縁材:ハードバルサ1mm厚(木村バルサ)

な感じです。
各パーツの作り方や使用材料の説明に行く前に、恐らく忘れられがちで最も重要なことを。

0、水平台について
これはとっても大事です。言うまでもないかもしれませんが、水平台が水平でないと、どれだけ丁寧に時間をかけて作っても、飛行機は真っ直ぐ飛びません。もちろん、各チーム翼の作り方は様々だと思いますが、水平台にジグを置いて作るなら水平台に力を入れた方が良いです。今回ドボン会が第1回テストフライトから翼のバランス調整無しに大利根を飛びきることが出来たのも、水平台が水平であったからだと確信しています。
とりあえず、水平台は下の写真です。
w1.jpg
まあ、大きな特徴は無いですが、4.2mのパイン集成材*2から構成されてます。木材でないほうがいいですが、お金、時間、設置場所等々によりこうなりました。
あと、下側。
w2.jpg
ネジ付きの足で高さの微調整しています。結局作業平面が平らであれば良いと思います。
肝心の調整ですが、ドボン会は「水もり管」を用いて水平台の水平出しを行っています。木桁を使用しているチームの方は馴染みがあるかもしれません。個人的見解ですが、今回の最大の功労者はこの水もり管であると思います。
w4.jpg

ペットボトルとシリコンチューブ、使い古したボールペンの筒から構成されてます。見た目はチープですがw
性能はピカイチです。電子水もり管なるものも試しましたが、全然だめです。自作の方が良いです。
一般的な水平出し方法?かは分かりませんが、下のような水準器を使っているところも多いかと思います。
w3.jpg

しかし、よほど大きな水準器や高精度のものでない限り性能は微妙です。角度精度が0.1°とかいろいろあると思います、が、1mでどれだけ位置の誤差が出て4mで・・・と計算すると悩ましいです。まして、上面の板に木材を使っていると考えると・・・。
それに対して水もり管は距離が離れてもほとんど誤差が出ません。使う人に依存はしますが0.1mm以内の誤差で調整も出来ます。これはオススメです。
水平出しの作業は翼一つを作る度に行いました。といってもそんなにずれる物ではないので確認程度ですが。
水平台についてはこれくらいにしておきます。水平出しの方法など詳しく知りたい方がいましたらコメント欄にでも。

1、リブの作り方。
リブを作る前に、リブ厚のスタイロシートをスタイロのブロックからスライスします。今回使用したスタイロフォームはダウ化工株式会社様よりご支援頂きました。
・スタイロフォームB21820*910*100をリブ、外皮に用いています。
・7~8mm厚(目標値7.5mm)にスライス

スライスはCNCを用いています。実は今回使用しているCNCは3軸フライスと4軸ワイヤカットに変形できるのです。
w13.jpg
w14.jpg
他の作業をしているう間にスライスは終わっていますw
このスライスしたシートを材料としてリブを切り出して行きます。
まず、リブの3Dデータを作って、ツールパスを作って切り出します。
w5.jpg


そのあと、1mm厚バルサより切り出した補強パーツを貼付けてリブを作って行きます。
w6.jpg

次にリブを桁に通します。そのあとリアスパを通します。基本的にMDF製のジグをベースに位置合わせしています。注意点はいろいろありますが、ジグは所定の場所にきっちり置いて、桁は上下方向があるのできっちり置くことくらいでしょうか。ちなみにジグもCNC切り出していますが、桁を置く部分は桁外形に合わせて微妙に楕円になっています。
w7.jpg
w8.jpg
w10.jpg
リアスパの固定を。
w9.jpg

リブの接着には以下の発泡スチロール用瞬間接着剤を用いています。というか、翼はこの接着剤だけで作ってます。外皮もこれで付けています。位置合わせした後触らずに接着できるので便利です。右のは促進剤です。発砲瞬着は普通の物より時間がかかるので。使いすぎると熱を持って台無しになるので注意。
w35.jpg
あと、バルサの補強パーツやリブキャップ、後縁材は下のスプレーのりで付けてます。
w36.jpg

2、ワイヤとか
次に、ブレーシングワイヤを取り付けます。ブレーシングワイヤは下のベクトランを用いています。テンションは6~7kgほどです。ワイヤの固定には瞬間接着剤を用いています。これでしっかり止まります。
かなり丈夫なワイヤなのですが、今回の着水時にブッツリ切れてました・・・。・・・言いたいことはたくさんありますが、放送が終わるまでは我慢します。
w11.jpg
w12.jpg

3、外皮
次に外皮を切り出します。
これもCNCで切り出しています。3次元カットをしているほとんどのチームはこの作業がとても大変だと聞いています。(ヤマハさんはNCで切り出していると聞いたことがありますが・・・ご存知の方いらっしゃいますか?)が、ドボン会は、自分1人ですべての外皮を切り出しました。といっても、勝手にCNCが切り出してくれるだけですが。非常に便利ですw
テーパカットも問題ありません。
まず、3Dのデータを作ってワイヤパスを作ります。
w15.jpg

外皮がの写真が無かったので尾翼外皮端材の写真を。
w17.jpg

で、リブにはめます。
w18.jpg
w19.jpg
w20.jpg

基本的に木材ストリンガは使用していません。理由は
1、湿気でたわむ。
2、材質が外皮と違うので風圧による曲率変化が表面にでる。
というところでしょうか?CNCなので、ストリンガの代わりに端を上の写真のようにしています。パコッとはまっていい感じです。

後縁側を切り出します。フルプランクですので。
w16.jpg
w21.jpg
w22.jpg

写真のように凝った感じになってます。
リブのしっぽ。
w23.jpg
外皮断面。
w24.jpg
はまります。
w25.jpg

貼ります。
w27.jpg
w28.jpg

前後に分かれているのはスタイロの厚さ制限と、組み立て時における誤差吸収のためです。
ちなみに切り出し幅はスタイロ幅そのままです(910mmくらい)
切り出した後若干縮むのでそれも考慮しています。

外皮は場所によって厚さを変えています。
フルプランクなのはいろいろ理由はありますが主に
1、翼型的に
2、三角形の補強パーツ入れるならフルプランクの方が丈夫で軽い。
3、フイルムを浮かさないようにするため。
な感じでしょうか。フイルムに関しては後ほど議論を。

切り出した後のスタイロ塊。
w26.jpg

4、後縁材とか
後縁材は1mm厚のハードバルサを用いています。大量に木村バルサより購入し、質のいい物だけを厳選して使用しています。最近は購入内半分も使えないです・・・。
翼の長さ分を繋ぎ合わせて、スプレーのりで接着します。
その後、エポキシレジン(Z2)をアルコールで希釈して浸透させています。尾翼の希釈率は低かったので湿気に勝ってかなり丈夫で真っ直ぐなのですが、主翼は軽量化と思い若干高めにしたら湿気に少し負けました・・・。
で硬化まで下敷きに。
w29.jpg
このあと、薄く研ぎだします。

で、リブキャップを付けて完成。
w30.jpg

翼を納めると・・・狭いですw
w31.jpg

5、フイルムとか。
フイルムにはいろいろな考え方があると思います。
ドボン会の今回の機体では「全面接着タイプの収縮フィルム」を用いました。厚さもそこそこあります。
重さは他のチームで最も多く使われていると思われるミレファンより少し重いですが、両面テープ分を考えるとさほど差はありません。
個人的な考えですが、タイムトライアル部門の場合フイルムは多少重くても丈夫で全面接着タイプを使うべきであると考えます。
理由は
1、フイルムの軽量化なんて微々たる物。最外層にあたるフィルムがやわだと翼面加重の大きな高速機では翼の変形を招きます。言うまでもないですが、せっかく奇麗に作ってもフィルムがたわむと意味がありません。軽量化と変形による抗力増加のトレードオフでしょうか。
2、上反角が付いた場合、両面テープ部分止めのフィルムだと上面のフィルムがかまぼこ状にたわみます。良くないです。全面接着およびフルプランクだとその心配がほとんど無くなります。参考までに日大さんは本番ではのり付けしているそうです。
3、段差がほとんどない。見た目が奇麗w
といったところでしょうか。
丈夫なフイルムを使う分、収縮力も多少強くなるのでそれに見合った構造にしておく必要があります。
また、フイルムを本番前に張り替えるチームが多々見受けられますがそれもあまり好きではありません。せっかくテストフライトで調整しているのに貼り直すとバランスが崩れる可能性も考えられますので。
なので、ドボン会では初めに貼って以来フィルムは貼り直してません。持ち手すらありません(完全密封です)
接合も工夫していて、各翼はリアスパのみM3ネジ1本で固定されています。ですので、フィルムには穴がありません。こうしておくことで、組み立て解体は30分ほどで出来ます。空力的にも毎回同じ条件です。(持ち手を塞ぐ必要がありません)
まま、いろいろな考え方があると思いますが、自分の見解です。

で、使用したフィルムがこれ。
w32.jpg
w33.jpg

機体をご覧になられた方は、フィルムの奇麗さを実感していただけたかと思います。自分で言うのも少し傲慢かもしれないですが、それくらい自信はありますw
唯一の難点は、貼るのにそれなりの技術が必要であるということでしょうか。特性としてオラライトに近いです。貼り方も同じでアイロンを使います。ドボン会でこのフィルムを使えるのは自分一人です。特に主翼の場合、温度を間違うとプランクを変形させてしまいますので、集中力を使います。
話は変わりますが、フェアリングにも使用しています。

一応同商品がRC用に小分けで販売されていたりもします。(商品名は違いますが)
値段は1本2万円くらいで2本セットでの購入になります。幅はいろいろあります。メーカサイトにPDFがありますので参照してみてください。

で、主翼に貼って完成!
w34.jpg


6、おまけ
尾翼稼働軸の話。リングが入ってます。
w37.jpg
w38.jpg
真鍮製です。砲金の方が良いですが。
真鍮になったのは時間的制約です。理想は金属スリーブの上に樹脂ベアリング(オイレスとか)を使うのが良いです。樹脂だけで支えると、尾翼パイプが柔らかい場合、断面が変形し動きが渋くなります。フッ素樹脂は柔らかいので注意が要ります。金属薄肉ベアリングを使うのも手ですが、重さとのトレードオフで。

以上。長々とすいません。

by KORO






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コメント ▼


    
  • No Title

    ちょくちょくお邪魔させていただいていた,WASAのOBでデイル同期の者です。本番当日含め,何かとお世話になりました!

    改めて製作工程を拝見すると,さすがですね。
    翼の変形など,高速機を製作するにあたって気になっているので,また今度お話させていただければなぁと思っています。
    鳥コン放送貸切に参戦させていただく予定なので,そちらもよろしくお願いしますね!

  • No Title

    こちらこそいろいろお世話になりました。とても助かりました。

    どぼん式製作方法はあくまでも一つの方法ですので、チームそれぞれの体質にあった物を選ぶのがベターですね。
    貸し切り、参戦できるようがんばりますw

  • 駆動部分も解説付きで見てみたいです!

    翼の作り方拝見させていただきました.
    効率化された主翼の制作に非常に感動しました.
    駐機場でも、とても綺麗な主翼だったのを記憶しています.

    ところで、宜しければ以前の記事で少し見えた駆動部も見てみたいです!
    BBの取り付けやテンショナーの位置などが気になるので、不都合がなければよろしくお願いします.

  • No Title

    >sc005080さん

    長々と読んでくださりありがとうございます。
    駆動系の記事も後日アップさせていただきます。担当に書かせますのでしばらくお待ちください~。

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